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イスタンブール空港が閉鎖されるギリギリで、なんとか帰りチケットを手にして飛行機飛び乗った。

あれ以来、ずっと海の外を見ていない。ここ数年は嵐のように過ぎ去っていくときの中で身動きできずにいた

 

その間に様々な気づきや出会いがあった訳だが、全てが不可欠な時間だったのだとしみじみ感じさせられる。

 

フィリピンの陰気な空気が漂うスラム街、トルコ国境を越えようと必死に欧州を目指す移民たち

パンデミック以前、確かな何かを掴もうと感情と直感のままにあちこち自由に歩き回っていた。

時としてその突発的な衝動は、恐怖や不安といったネガティブな要素の一切を飲み込んでいく。​​

 

誰かの痕跡を探していたのか、それとも自分自身の爪痕をどこかに残そうとしていたのか。

 

どちらとも言えるかもしれない。散らばったパズルを1ピースごと拾い集めるように記憶を辿っていくなかで、

 

浮き上がってきた像たちが、私をまた新たな世界へと誘ってくれる気がした。

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